【リサーチ】株価最高値更新を牽引する半導体企業が多く集まる「九州地方」の賃料推移を調査
AIによるビッグデータ解析を強みとし、不動産の価格査定や物件情報配信など不動産テックソリューションを開発するエステートテクノロジーズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:澤 博史)は、弊社保有の「不動産データプラットフォーム」のデータを基に調査を実施しました。
日経平均株価は今年3月に4万円台を超え史上最高値を更新しました。特に、株価の水準が高く株価を牽引しているのが「半導体株」と言われています。
今、半導体関連企業1,000社以上が九州に集まっており、今後も工場の移設・新設は増えていくと言われている中、不動産価格にはどのような影響が出ているのかを、弊社の「不動産データプラットフォーム」を活用して調査しました。
不動産データプラットフォームについて、記事の最後にご紹介していますのでぜひ最後まで読み進めてみてください。
今回は特に企業が多く集中している「福岡県福岡市」「福岡県北九州」、世界最大の半導体受託製造企業・台湾積体電路製造(以下、TSMC)が日本進出の場所に選んだ熊本県菊陽町のすぐ隣に位置する「熊本県熊本市」の2023年1月〜2024年2月の賃料動向データを調査しています。
目次
■福岡市・北九州市・熊本市の平均賃料推移データ
専有面積:〜40㎡以下
主に「単身世帯向け」となる「〜40㎡以下」の賃料推移では、福岡市と熊本市で上昇傾向が見られました。
福岡市は2023年1月の平均賃料が69414.0円から2024年1月の平均賃料が70544.0円と1.6%の上昇、熊本市は2023年1月の平均賃料が50981.5円から2024年1月の平均賃料は51086.2円と0.2%の上昇となっています。北九州市・熊本市は下降トレンドが見られ、福岡市では上昇トレンドが見られる結果となりました。
専有面積:41〜70㎡
主に、「二人〜ファミリー向け」となる「41〜70㎡以下」の賃料推移では、福岡市と熊本市で上昇が見られました。
福岡市は2023年1月の平均賃料が94584.8円から2024年1月の平均賃料が170088.9円と23.0%の上昇、熊本市は2023年1月の平均賃料が72050.8円から2024年1月の平均賃料92730.3円と28.7%と大きく上昇しています。福岡市と熊本市で上昇トレンドが見られました。
専有面積:71㎡〜100㎡
主に、「ファミリー向け」となる「71㎡以上」の賃料推移では、福岡市と熊本市で上昇が見られました。
福岡市は2023年1月の平均賃料が138315.8円から2024年1月の平均賃料が170088.9円と23.0%の上昇、熊本市は2023年1月の平均賃料が100500.0円から2024年1月の平均賃料は147909.1円と47.2%と大きく上昇しています。
熊本市ではTSMCが進出する菊陽町周辺で新築のアパート・マンションの建設ラッシュが続いており、供給数は増えているが需要の高さから新築物件の賃料は強気の設定が増えています。その影響から既存物件の賃料も上昇していくとみられ、今後も全体的に賃料の上昇が予想されます。
まとめ
2023年1月〜2024年2月の賃料推移を専有面積ごとに調査した結果、福岡市と熊本市で上昇傾向がみられ、特に41㎡以上の物件で大きく上昇している傾向が見て取れました。
なお、それぞれの市の人口推移も見てみると賃料と同様に福岡市と熊本市で増加傾向となっています。TSMCが進出する菊陽町でも人口が増加しています。
また、東洋経済オンラインの記事によると、
TSMC新工場の2025年時点での従業員は約1700人体制となる見込みとなり、住宅や交通インフラの整備が町を起点に熊本全体で進められており、肥後銀行などを傘下に置く九州フィナンシャルグループは、TSMCの熊本進出による経済波及効果が2022年から10年間で4兆2900億円になるとの試算を公表している。九州の”半導体バブル”が本格化するのはこれからである。
出典:東洋経済オンライン
こういった報道からも、熊本だけでなく、半導体関連企業の周辺では住居の需要やそれによる賃料上昇は今後も続いていくと考えられます。当社でも引き続き推移をウォッチしていきたいと考えています。
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