<リサーチ>令和5年版・地価公示価格発表!一都三県の不動産価格のみならず、地方都市でも値上がり傾向。「中古マンション価格」にはどのような影響が出ているかを「不動産価格AI査定エンジン全国版」で検証【札幌・仙台・名古屋・大阪・福岡】
はじめに
国土交通省が2023年3月22日に公表した令和5年版の地価公示価格によると、全国平均(全用途)で2年連続の上昇となりました。
新型コロナの影響で令和3年は全国的にマイナスに転じましたが、ウィズコロナの下で、景気が緩やかに持ち直している中、都市部を中心に継続的に上昇するとともに、地方部においても上昇範囲が広がるなど、コロナ前への回復傾向が顕著に現れる結果となりました。
そこで今回は、エステートテクノロジーズ株式会社の不動産価格AI査定エンジン(全国版)を利用し、地方都市の中古マンションの価格推移にはどのように影響が出ているかを検証してみました。
目次
地価公示価格とは
地価公示価格は、国土交通省が毎年公表する、1平方メートルあたりの土地の価格のことです。
この価格は、土地の取引価格や賃貸価格を決める際の指標として利用されます。
また、地価公示価格は、地方自治体が所有する公有地の売買や貸借においても基準として用いられることがあります。
しかし、地価公示価格はあくまで参考値であり、実際の土地価格は地域や立地条件、周辺環境などによって異なります。
これは、地価公示価格があくまで平均的な価格を示しているためです。
実際の土地の価格は、その土地が持つ特性や利便性、需要・供給のバランスなどによって左右されます。
不動産取引や投資を行う際には、地価公示価格を参考にしながら、慎重に判断する必要があります。
時には、地価公示価格よりも高い価格で取引が成立することもあります。
また、地価公示価格が下がっても、実際には需要が高まっている地域がある場合もあります。
そのため、地価公示価格だけに頼って判断するのではなく、様々な情報を収集し、総合的に判断することが大切です。
東京と他の都市での中古マンション価格の動向
一般的に、地価が上がればその影響を受けて、マンションなどの取引価格も上昇すると言われています。
住宅金融支援機構の発表では、「首都圏では、新築分譲マンションの戸当たり平均価格はバルブ期のピーク水準に近づいている」とのこと。
新築マンションの価格高騰に伴い、中古マンションの成約戸数が増加し、2016年以降5年連続で中古マンションの成約戸数が新築マンションの販売戸数を上回っています。
中古マンションの価格も新築マンションに牽引される形で上昇を続けている状況です。
参考:https://www.jhf.go.jp/files/400358226.pdf
首都圏の地価は年々上昇傾向にありますが、地方都市の中古マンションの価格動向はどうなっているのでしょうか。
今回、地方都市の中でも公示価格の上昇率が高い傾向にあったエリアをランダムにピックアップ。
・札幌市手稲区
・仙台市宮城野区
・名古屋市東区
・大阪府箕面市今宮
・福岡市中央区
の中古マンションの推定価格推移を、
エステートテクノロジーズ社の「不動産価格AI査定エンジン」で実際に検証してみました。
※今回の検証では、「築年:2012年」「広さ:25㎡」という同一条件で各地域のマンション情報からAIによって推定相場価格を算出しています。
札幌市手稲区
札幌市手稲区は、手稲山を望む住宅地として人気があります。
自然に恵まれた環境でありながら、札幌市内にもアクセスがしやすいため、マンション需要が高いエリアです。
10階建以上の大型マンションも複数あります。
また、手稲区は大型ショッピングモールなどの商業施設が充実しており、生活利便性が高いこともマンション価格を押し上げる要因の一つです。
今回発表の公示価格では、札幌市手稲区の商業地の上昇率は19.7%と非常に高い数値となっています。
AI査定エンジンが算出した中古マンションの推定相場査定結果でも、
2021年1月に1,100万円弱の推定相場価格から、
2年後の2023年3月には1,270万円台にまで上昇している結果となっています。
仙台市宮城野区
仙台市宮城野区は、仙台駅にも近く、東北新幹線が通っていることからもアクセスが良いため、ビジネスマン向けのマンションも多くあります。
また、東北大学の学生街として知られています。大学周辺地域であることから、学生向けの賃貸マンションが多く、需要が高まっています。
今回発表の公示価格では、仙台市宮城野区の商業地の上昇率は18.8%と非常に高い数値となっています。
AI査定エンジンが算出した中古マンションの推定相場査定結果でも、
2021年1月に1,400万円弱の推定相場価格から、
2年後の2023年3月には1,600万円台にまで上昇している結果となっています。
名古屋市中区
名古屋市中区は、名古屋市の都心部に位置しています。
名古屋市内での交通の要所であることから、ビジネスマン向けの賃貸マンションが多く、需要が高いです。また、名古屋市内には観光スポットや商業施設が多数あり、生活利便性が高いこともマンション価格を押し上げる要因の一つです。
今回発表の公示価格では、名古屋市東区の住宅地の上昇率は18.2%と非常に高い数値となっています。
AI査定エンジンが算出した中古マンションの推定相場査定結果でも、
2021年1月に1,390万円台の推定相場価格から、
2年後の2023年3月には1,500万円台に上昇している結果となっています。
大阪府箕面市今宮
大阪府箕面市は、自然環境に恵まれた住宅地として人気があります。
阪急箕面線の箕面駅周辺には、高級マンションが多く建設されており、需要が高まっています。
また、箕面市内にはショッピングモールやレジャースポットが多数あり、生活利便性が高いため、マンション価格を押し上げる要因の一つです。
今回発表の公示価格では、大阪府箕面市今宮の住宅地の上昇率は8.2%となっています。
AI査定エンジンが算出した中古マンションの推定相場査定結果は、
2021年1月に1,230万円台の推定相場価格から、
2年後の2023年3月には1,280万円台となっています。
福岡市中央区
福岡市中央区は、天神や博多といった福岡市内の中心部に位置しています。
都心に位置することから、アクセスがしやすく、ビジネスマン向けの賃貸マンションが多いです。
また、福岡市内には大型ショッピングモールや観光スポットが多数あり、生活利便性が高いため、マンション価格を押し上げる要因の一つです。
今回発表の公示価格では、福岡市中央区の商業地の上昇率は18.3%となっています。
AI査定エンジンが算出した中古マンションの推定相場査定結果は、
2021年1月に1,490万円台の推定相場価格から、
2年後の2023年3月には1,610万円台に上昇している結果となっています。
地方都市でも中古マンション市場は値上がり傾向
今回分析した都市すべてにおいて、値上がり傾向であることがわかりました。
昨年6月に外務省の水際措置を緩和したことによるインバウンド需要の回復による経済活動の復活も影響があると推測されます。
インバウンド(訪日外国人)の増加により、観光地やビジネスの盛り返しが期待できるエリアでは、商業の発展が見込まれます。
それにより周辺エリアの物件は入居者の需要も安定が見込めるため、不動産投資家からの注目が高まっていくことが今後も予測されます。
不動産価格AI査定の全国版リリース
エステートテクノロジーズ社では、独自のクロール技術とAIによるビッグデータ解析技術を駆使することで、業界最高水準の正確性を誇る「価格AI査定エンジン」を開発。
これまで1都3県を中心に提供していたサービスを、全国エリアにまで広げることに成功しました。
正確な情報を瞬時に提供できる環境を地方にまで拡大・浸透することで、地域の不動産取引活性化、ひいては地方創生に貢献します。
貴社の成約データをAPI連携することで、自社によりカスタマイズされた精度の高い査定データを瞬時に提供することも可能となります。
精度の向上により、これまで査定にかけていた時間を短縮し、お客様にもよりスピーディーな回答が可能になります。
エステートテクノロジーズ「不動産価格査定エンジンAPI」の強み
- 御社独自の不動産価格付けを考慮したAI価格査定が出来る
- リアルタイムで市況を加味した中古マンションの価格査定が見ることが出来る
- 業界最高水準の精度を誇る、当社の価格推定エンジン(MER.2.939 東京23区)を利用
- 全国対応
- リノベする場合、リノベしない場合のモード選択対応可能(1都3県)
- 業務効率化、コスト削減が可能
- 5秒でAI査定が出来る
- データ量は、2023年時点で4000万件以上
- 大手多数導入実績あり
おわりに
地価公示価格は、不動産価格を正確に決めるための指標の一つですが、実際の不動産価格は地域差や周辺環境、周辺物件の値動きによっても変化していきます。
常に最新情報を調査するというのは労力も時間もかかってしまいます。
エステートテクノロジーズでは、AIによるビッグデータ解析を強みとし、不動産の価格査定や物件情報配信など不動産テックソリューションを提供しています。
サービス提供のみならず、本記事のような、不動産データ、AIを使ったリサーチのご依頼も承っております。お気軽にご相談ください。